電気自動車(EV)のメリット

新車の電気自動車のメリット・デメリットとは?

1. 電気自動車の現状と今後

電気自動車の現状と今後

日本政府は「2035年までに、乗用車の新車販売で電動車100%」という目標の実現を目指し、EV・PHV・FCVを対象に、購入補助事業を行うなど普及に努めています。
そのおかげもあってか、日本における電気自動車(EV)の普及台数は年々増加しています。
日本における電気自動車(EV)の販売台数は、2022年の累計でEV車(PHEV含む)の販売台数が96,585台、シェアは2.80%となり、前年の44,470台、1.21%から2倍以上に上昇。
世界に目を向けると、アメリカにおけるEV車の普及率は2022年で6%目前となっており、前年の約2倍と大幅に伸びています。
他にも、中国やヨーロッパ主要国(イギリス、フランス、ドイツ、スウェーデン、ノルウェー)において、EV車の普及が急速に進んでいます。
特にヨーロッパ主要国のEV車普及率は軒並み20%を超えて、日本とは大きな差があります。

EV車はカーボンニュートラル(脱炭素社会)の実現において重要な鍵を握っています。
世界中でEV車の普及が進む背景には、各国が、温室効果ガスの増加に伴う地球環境の変化に対し危機感を持ち、改善に向けた取り組みに力を入れている点が挙げられます。

日本政府は、2020年10月に「2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする、カーボンニュートラルを目指す」ことを宣言しました。
このような背景から、今後もEV車の普及は拡大していくことが予想されます。

日本政府は「2035年までに、乗用車の新車販売で電動車100%」という目標の実現を目指し、EV・PHV・FCVを対象に、購入補助事業を行うなど普及に努めています。
世界中でEV車の普及が進む背景には、各国が、温室効果ガスの増加に伴う地球環境の変化に対し危機感を持ち、改善に向けた取り組みに力を入れている点が挙げられます。

環境への貢献度が高いEV車ですが、それ以外にはどのようなメリットがあるのでしょうか?
また、従来の化石燃料車と比べた場合にデメリットはあるのでしょうか?
本記事では、電気自動車(EV)の購入を検討する上で知っておくべき、EV車のメリット・デメリットについて解説します。

2. 電気自動車のメリット

2-1. 二酸化炭素を排出しないエコな車

EV車の最大の特徴は、走行時に二酸化炭素を排出しない点です。
地球環境への影響がなく、気候変動問題の解決に貢献することが期待できます。

EV車の最大の特徴は、走行時に二酸化炭素を排出しない点です。
地球環境への影響がなく、気候変動問題の解決に貢献することが期待できます。

また、ある研究によれば、化石燃料車が消費する天然資源の量は、EV車と比べて数百倍になることが明らかになっています。
EV車に使用されているリチウムイオンバッテリーの寿命が尽きるまでに消費される天然資源は、内燃機関系自動車が消費するガソリン1万7,000リットルと比べ、わずか約30キロです。
ガソリン車やディーゼル車の利用を減らしEV車へ移行するだけで、地球規模の環境面で大きなプラスになるでしょう。

2-2. 走行音が静かで快適な乗り心地

EV車は高い静音性から、静かで快適な乗り心地を得ることができます。
ギアによる変速が必要ないため、スムーズな加速と滑らかな走りを実現しています。
また、EV車はバッテリーを搭載するため車体の重量が重くなります。
バッテリーは車両中央部の床下に配置されているので重心が低くなり、結果として走行時の安定感が増加します。
EV車は静かで滑らか、安定感のある運転を楽しむことができる自動車です。

EV車は高い静音性から、静かで快適な乗り心地を得ることができます。

2-3. 燃料費を節約できる

EV充電器やV2Hなどの設備があれば電気代の安くなった深夜電力を使って電気自動車を充電することで ガソリン車よりも燃料費が節約できる可能性が高いでしょう。
また、太陽光発電とV2Hを組み合わせて充電を行えば、さらに節約が可能です。

EV充電器やV2Hなどの設備があればガソリン車よりも燃料費が節約できる可能性が高いでしょう。
太陽光発電とV2Hを組み合わせて充電を行えば、さらに節約が可能です。

節約が可能とはいえ、EV車もV2Hも高額な商品です。
EV車やV2Hをお得に導入するなら、活用可能な補助金が無いかチェックしましょう。
過去にはEV車の購入やV2Hの設置に補助金が給付されており、お得にEV車やV2Hを導入することができました。
最新の補助金動向については以下のコラムをご覧下さい。

2-4. 災害時にEV車を蓄電池として使える

もしも地震や台風などの自然災害によって家の電気が使えなくなってしまったら、EV車を非常用電源として利用することが出来ます。
規模や被災した地域によって異なりますが、一般的に震度7の地震が発生した場合、電気が復旧するまでには約1週間掛かると言われています。
また、経済産業省によると、2019年の台風15号では、電力復旧までに4日の期間を要したと発表されています。

一般的に震度7の地震が発生した場合、電気が復旧するまでには約1週間掛かると言われています。
EV車には大容量のバッテリーが搭載されており、災害時にEV車を蓄電池として使えます。

EV車には大容量のバッテリーが搭載されており、バッテリー容量が最も多い、日産リーフe+(バッテリー容量62kWh)は、3~4日分の電気を賄うことが出来ます。

3. 電気自動車のデメリット

3-1. ガソリン車に比べて航続距離が短い

日々の技術革新によりEV車の航続距離は昔と比べて長くなってはいますが、まだガソリン車には及びません。
ガソリン車は航続距離が500kmを越える車が多く、1500km以上走れる燃費の良い車もあります。
一方でEV車の航続距離は車種(バッテリー容量)によって異なりますが、おおよそ200km~600kmとなっています。
長距離のドライブに出掛ける際は、バッテリー残容量のチェックと充電スポットの事前確認を行うようにしましょう。

EV車の航続距離は車種(バッテリー容量)によって異なりますが、おおよそ200km~600kmとなっています。
長距離のドライブに出掛ける際は、バッテリー残容量のチェックと充電スポットの事前確認を行うようにしましょう。

3-2. 充電に時間がかかる

ガソリン車がガソリンスタンドで燃料を満タンにするのに掛かる時間はせいぜい3~5分でしょう。
残念ながらEV車だとこうはいきません。
走行に問題ないある程度の容量まで充電するには、急速充電器を使っても30分、普通充電器であれば数時間掛かります。
最近は6kW充電に対応したEV充電器も販売されていますので、 通常の3kW充電と比べて倍のスピードでの充電が可能ですが、それでも数時間掛かってしまいます。
ただしEV車はほとんどの場合、自宅で充電を行いますから、ガソリンスタンドに行く手間と労力からは開放されます。
自宅で夜間に充電を行えば、長い充電時間もさほど問題にはならないかもしれません。
とはいえ、EV車の充電には時間が掛かりますのでバッテリー残容量には注意する必要があります。

EV車を走行に問題ないある程度の容量まで充電するには、急速充電器を使っても30分、普通充電器であれば数時間掛かります。

3-3. まだまだ価格が高い

2023年現在、EV車の価格帯は500万円〜800万円の間に多くの車種が集中しています。
ガソリン車の購入価格は100~300万円の間が平均的と言われているので、EV車はガソリン車に比べて割高であるといえます。
今後、EV車の普及によって販売価格が低下していくことは期待出来ますが、現時点ではEV車は高級車の部類でしょう。

EV車の中古車市場はどうでしょうか?
海外の事情にはなりますが、ロシアによるウクライナ侵攻の影響によりバッテリーの原材料供給が停滞。
これにより新車の生産に大幅な遅れが生じたことから、新車が納車されるまでかなりの時間が掛かる事態に。
加えて、ガソリン価格が急騰したことにより中古EV車の需要が、かつて無い程の高まりを見せています。

日本の中古車市場はどうかと言うと、 新車のEV車自体の販売台数が、ガソリン車に比べてまだまだ少ないため、 必然的に中古市場に出回る車両の数も少なく、価格も割高になっている傾向があります。
EV車は中古であっても安価に入手することができるのはまだ先かもしれません。

中古EV車の需要が、かつて無い程の高まりを見せています。
EV車は中古であっても安価に入手することができるのはまだ先かもしれません。

4. V2HでEV車ライフをさらに快適に

V2Hとは、電気を車(Vehicle)から家(Home)へと送ることが出来るようにする機器です。
もちろん、V2Hが無くてもEV車に乗ることが出来ます。
しかしながら、EV車とV2Hを組み合わせることで、より安心で快適な生活を送ることが出来ます。

EV車を購入されたほとんどの方は、自宅にEV車を充電するための設備も併せて設置されるかと思います。
ここで選択肢として考えられるのが、EV充電器かV2Hかの二択です。

EV充電器とV2Hの決定的な違いは、電気の流れにあります。
EV充電器の電気の流れは、EV充電器からEV車への一方方向です。
EV車を充電することは出来ますが、EV車の電気を家で使うことは出来ません。
これに対して、V2Hの電気の流れは双方向です。
EV車を充電することも出来ますし、EV車の電気を取り出して家で使うことも出来ます。

V2Hがあれば、EV車の電気を取り出して家で使うことも出来ます。
V2Hがあれば、EV車の電気をV2H経由で家に供給することで、停電前と変わらない生活を送ることが出来ます。

この違いは、災害時に大きな違いを生みます。
停電が起こった際、EV車の電気を使ときは、車に搭載されているコンセントから給電することになります。
コンセントに繋ぐことが可能な家電製品は限定されますし、家の照明等も使用することができません。
V2Hがあれば、EV車の電気をV2H経由で家に供給することで、停電前と変わらない生活を送ることが出来ます。

太陽光発電システムを導入済みの方であれば、昼間に発電した電気をEV車に充電し 夜間にEV車に充電した電気を使うことで、電気が復旧するまで、電気のある暮らしを送ることが出来ます。
EV車の購入を検討されている方は、V2Hの導入も併せて検討されてみてはいかがでしょうか。

5. まとめ

世界的な流れからみても、今後、EV車の普及は拡大していくものと思われます。
EV車は環境面だけでなく、災害時の備えとしても活用できる製品ですが、まだまだ高額な製品であることも事実です。
現在購入を検討中の方は、EV車のメリット・デメリットを理解された上で、ご判断頂ければと思います。